「第7回兵庫県こども環境フォーラム」 活動レポート
7月4日(土)に
「第7回兵庫県こども環境フォーラム」
~みんなで川や海の生きものを守ろう!~
を開催いたしました。
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【オープニング演奏】
野村 真波さん(元・パラリンピック日本代表水泳選手)による
ヴァイオリン演奏で華やかにフォーラムの幕が上がりました。
「花は咲く」と「パッヘルベルのカノン」を演奏されました。
(ピアノ伴奏:西谷 雅子さん)
野村さんは、10年前に交通事故で片腕を失われましたが
ヴァイオリン演奏専用の義手と出会われ、
神戸を中心に演奏活動をされておられます。
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【こども達の活動発表】
4月と5月に垂水区の福田川でおこなった「おやこでクリーン作戦&
生きものさがし」に参加した子ども達(小3~中3)が、活動の報告と
活動で気づいたことを発表しました。
“クリーン作戦”については、ゴミ袋8袋分ものゴミが集まったことや
たばこの吸い殻や缶・ペットボトルのゴミが多かったことを報告。
“生きものさがし”では、岩ガキなどの貝類やカニ・エビ・ウナギの赤ちゃんなど
見つけた生きものの種類などを報告。
活動報告のあとは、子ども達が感じたことやアイデアを発表しました。
<子ども達の発表>(抜粋)
①活動をした福田川では、川に降りる階段に鍵がかかっていた。
鍵をかけないほうが、多くの人に親しみを持ってもらえるのではないか。
②川で遊ぶのは、とても楽しい。
子ども達が泳げる川になるよう、川沿いにゴミ箱を設置してはどうか。
③ 川のクリーン活動は大変だけど、きれいになるとスッキリする。
川の大切さをみんなに知ってもらえるように、笹舟流しのイベントをしよう。
子ども達の発表後、アドバイザーの西谷 寛さん(環境カウンセラー)が
活動当日の子ども達の様子などをお話くださいました。
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【基調講演】
神戸市立須磨海浜水族園の吉田園長による基調講演。
テーマは、
「地球をめぐる水と旅する生き物~森・川・海のつながりを考える~」
“森・川・海のつながり” について、図や写真を使用してわかりやすく
お話くださいました。
“森・川・海のつながり”について学んだあと、“生きものがすみやすい森・川・海”に
するための解決策を教わりました。
【森】土に含まれた水分が、ゆっくりとしみ出すことが大切である。
↓↓
そのためには、椎や樫の木など平べったい葉を持つ木をたくさん植えて
照葉樹林(※)を育てる。
(※)照葉樹林(しょうようじゅりん)…
一年中緑の葉をつけるため、樹林の湿度を上げる効果がある。
【川】栄養や砂が流れることと、生きものが行き来しやすいことが大切である。
↓↓
そのためには、
①水を流れるようにする
②堰(せき)には、生きものが登り下りしやすい場所をつくる
③ゴミを流さない
【海】生きものの食物が豊富な傾斜のゆるやかな浅い場所が大切である。
(砂浜や藻場など)
↓↓
そのためには、
埋め立てで減る一方の砂浜や藻場を、これ以上減らさない。
基調講演の最後には、
「日本の水族館からラッコが減っているって本当?」
など、子ども達の質問にもこたえてくださいました。
ちなみに・・・
日本の水族館のラッコは、ピーク時は120頭以上いたものが
現在では20頭弱にまで減っているそうです。
ラッコの日本への輸入が規制されたことや
日本国内での繁殖が難しいことなどが原因のようです。
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休憩時間には、様々なブースでお楽しみいただきました。
【動物おりがみ体験】
(須磨海浜水族園)
イルカやペンギンなど、水族園で人気の動物を折り紙を
須磨水族園のボランティアの皆さんと一緒に作りました。
【エコな農法で栽培された野菜の販売】
(神戸市西区・くすのき農園)
今年も、トウモロコシが即完売となりました。
【MaMaの手作り品やトマトジャムの販売】
(べこっこMaMa・・・原発事故で神戸に避難した親子の会)
べこ(ウシ)が描かれたお揃いのエプロンで
販売されていました。
手づくりのポーチや髪飾り、トマトジャムが人気でした。
【淡路・播磨・丹波など兵庫の特産品の販売】
(元町マルシェ)
お野菜やのりなどの特産品が人気でした。
※ブースでの売上金の一部を東日本大震災復興支援に寄付いたします。
【化石や昔のたこつぼの展示】
(明石浦漁業協同組合)
明石浦行業組合さんで保管されておられる貴重な化石とたこつぼ。
たこつぼは、手のひらサイズで思ったより小ぶりでした。
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【パネルディスカッション】
コーディネーターは、熊谷 哲 さん
(兵庫県立大学 環境人間学部 教授 /NPO法人はりま里山研究所)
パネリスト は、
左から
吉田 裕之さん(神戸市立須磨海浜水族園 園長)
西谷 寛さん(環境カウンセラー/海と空の約束プロジェクト代表)
京本 慎二さん(明石浦行業協同組合所属 漁師)
「森・川・海のつながり」を考えるをテーマに、川や海にかかわる方々が
討論をされました。
★魚の数・種類ともに減ってきている。
★川や海の水が以前よりも澄んでいる。
↓↓
澄んだ水には生きものの栄養となるプランクトンが少ないので、
生きものにとって必ずしも「良い水」とは言えない。
澄んだ水になってきたことが、魚の減少に関係している可能性がある。
★一般の人は、魚が減っている現状を実感していない。
(スーパーなどで多くの魚が売られていたり、魚が減っているとは実感しにくい。)
↓↓
そのことを実感してもらうには、どうすべきか。
↓↓
日常生活で自然に触れ、人間以外の生きものにも“生活”があること知るべき。
↓↓
しかし、都市部では簡単に森・川・海で遊ぶことができないのが現状。
遊ぶことが制限されている場が多い。
↓↓
「人と森」「人と川」「人と海」との”つながり”がなかなか作れない。
↓↓
まずは、「人と人」がつながって、「人と自然」のつながりを再生させることが重要。今回のフォーラムのような場でぜひ、新たなつながりを生んでほしい。
また、今日の話を聞いた子ども達に何かを感じてもらい、未来へとつなげてほしい。
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【農業体験 活動報告】
こども環境フォーラムの基幹事業である「親子農業体験」の
2014年度の活動を写真などで見ていただきました。
活動紹介のあと、
「親子農業体験」参加者が各家庭で野菜の栽培と記録にとりくまれた
「育てて食べよう!プロジェクト」にて、優秀なレポートを作成されたご家族を
表彰しました。
グランプリの受賞された徳田さんファミリー
水菜やレタスを栽培し、細かく記録されました。
栽培した野菜を生かした料理をたくさん作られました。
家族で試行錯誤しながら育てた野菜の味は、格別だったそうです
こういった体験は、きっと子ども達の「心の財産」になることでしょう。
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今回のフォーラムも、子どもだけでなく様々な年代のかたが
自然環境と自分自身の生活のつながりを再認識できる機会と
なったようです。
今後も、こども環境フォーラムは
「子ども発信」で環境問題を提起してまいります!!
こども環境フォーラム